TI、米国テキサス州とユタ州での半導体製造のために CHIPS および科学法に基づき提示された最大 16 億ドルの資金提供を受け取る仮契約に署名
資金提供と推計 60 ~ 80 億ドルの投資税額控除により、TI はアナログおよび組み込みプロセッシング半導体向けに、地政学的に信頼できる300mm の生産能力の確保が可能に

ニュースのハイライト

  • 米国商務省は、テキサス州とユタ州に建設中の 3 つの 300mm 半導体ウエハ ファブを支援するために CHIPS および科学法 に基づき最大16億ドルの直接的な資金援助を提示
  • TIは、認定された米国内の製造業への投資に対して、米国財務省から推計 60 ~ 80 億ドルの投資税額控除を受ける見込み
  • TIは、2,000 人以上の新規雇用と、建設、サプライヤ、各種支援産業での数千人の間接雇用を創出するなど、人材開発のために提示される資金として 1,000 万ドルを受け取る予定

 

テキサス・インスツルメンツ (TI) と米国商務省は、テキサス州とユタ州ですでに建設中の 3 つの 300mm 半導体ウエハ ファブを支援するために CHIPSおよび科学法 に基づき、TI に最大 16 億ドルの直接的な資金援助の提案に関する法的拘束力を有しない仮合意書に署名しました。さらに、TI は、認定された米国内の製造業への投資に対する投資税額控除として、米国財務省から推計 60 ~ 80 億ドルの控除が認められる予定です。直接的な資金援助と投資税額控除により、TI は重要なアナログおよび組み込みプロセッシング半導体において地政学的に信頼できる供給体制を整えることができます。

TIの社長兼 CEO である Haviv Ilan は、次のように述べています。「歴史的な CHIPS 法は、米国内の半導体製造能力を増強し、半導体のエコシステムをさらに強力で弾力性の高いものにしています。私たちの投資は、米国内の 300mm 製造業務の拡大を通じて、製造とテクノロジーにおける TI の競争力をさらに強化します。TI では、社内製造の割合を 2030 年までに 95% 以上に増やす計画に基づき、今後何年にもわたって TI のお客様が必要とするアナログと組み込みプロセッシング チップを提供できるように、地政学的に信頼できる 300mm の生産能力を大規模に構築しています」

 

アナログおよび組み込みプロセッシング チップにおいて地政学的に信頼できる製造能力の構築 

90 年前の創業以来、TI はテクノロジーを進歩させ、真空管からトランジスタ、さらには集積回路への移行を先導してきました。現在、TI は米国最大のアナログおよび組み込みプロセッシング半導体メーカーです。TI のチップは、高度なセーフティ システムやインテリジェンス システムを備えた自動車から、救命医療機器、さらには家庭の安全性や効率性を高めるスマート家電まで、ほぼあらゆる種類の電子デバイスに不可欠なものとなっています。

CHIPS 法に基づく直接的な資金援助は、TI のより幅広い製造投資の一環として 2029 年までに行われる 180 億ドル以上の投資を支援します。この直接的な資金援助は、3 つの新しいウエハ ファブを支援します。これは、テキサス州シャーマンの 2 つのファブ (SM1、SM2) とユタ州リーハイの 1 つのファブ (LFAB2) であり、具体的には以下のとおりです。

  • 初回生産に向けた SM1 のクリーンルームと完全なパイロット ラインの建設
  • 初回生産に向けた LFAB2 のクリーンルームの建設
  • SM2 のシェルの建設

これらの互いに接続されたマルチファブ サイトには、共有されたインフラストラクチャ、人材およびテクノロジーの共有、およびサプライヤやコミュニティ パートナーの強力なネットワークというメリットがあります。これらの施設では 28nm ~ 130nm テクノロジー ノードの半導体を生産し、TI のアナログおよび組み込みプロセッシング製品の幅広いポートフォリオに必要とされる最適なコスト、パフォーマンス、電力、精度、電圧レベルを提供します。

米国商務長官の Gina Raimondo 氏は、次のように述べています。「最新世代の成熟ノード チップ生産のグローバル リーダーである TI に対してバイデン-ハリス政権から提示されるこの投資は、米国経済のあらゆる領域で使用されるこれらの基本的な半導体のサプライ チェーンを保護し、テキサス州とユタ州に何万件もの雇用を生み出すのに役立ちます。CHIPS for America プログラムは、米国のテクノロジーとイノベーションを強化し、私たちの国をより安全なものにします。また、TI は、米国での半導体製造開発を活性化させるバイデン-ハリス政権の取り組みを成功させるうえで重要な役割を担うことが期待されます」

 

より強力な労働力の構築

従業員が長期的なキャリア形成を順調に進められるよう支援してきた長い歴史を持つ TI は、将来の労働力の構築にも投資をしています。TI はテキサス州とユタ州の 3 つの新しいファブで 2,000 人以上の自社雇用を創出するとともに、建設、サプライヤ、各種支援産業にも何千件もの間接雇用を生み出します。

テキサス州知事の Greg Abbott 氏は次のように述べています。「私たちは、シャーマンに新しい半導体ファブを建設し、テキサスを半導体に最も適した州として確立するために、TIと協力し合えることを誇りに思っています。TIはテキサス州でマイクロチップを発明し、私たちにはダラス、リチャードソン、シャーマンといった TI の半導体製造施設の地元であるという名誉が与えられています。この最新のプロジェクトで、TI はテキサスでの 90 年を超える伝統に基づき、非常に重要なテクノロジーを製造する何千件という収入の良い仕事をテキサス州の人々にもたらしています」

米国上院議員の John Cornyn 氏は、次のように述べています。「私たちは半導体製造に投資することで、この脆弱なサプライ チェーンを保護し、国家の安全とグローバルな競争力を強化しながら、テキサス州民のために新たな雇用を創出しています。これらのリソースによりTIで実現されるチップ製造能力は、非常に重要な半導体産業において米国がリーダーシップを回復する助けとなります。今後数年間でテキサス州がより多くの進歩を先導するようになることを期待しています」

将来を見据えた労働力を構築するために、TI では現在の従業員のスキル向上を支援し、インターンシップを拡張しているほか、電子と機械のスキル構築に重点を置いたパイプライン プログラムを作成しています。TI は米国全体で 40 のコミュニティ カレッジ、高校、軍事機関と強固に連携して、将来の半導体人材の育成に取り組んでいます。

ユタ州知事の Spencer Cox 氏は、次のように述べています。「ユタ州では、TIがシリコン スロープでの製造能力を拡張し、非常に重要な半導体テクノロジーに対するユタ州の影響力を強化していることを嬉しく思っています。この半導体製造への投資は、多くの雇用を生み出すだけでなく、サプライ チェーンを米国へと取り戻すものでもあります」

米国上院議員 のMitt Romney 氏は、次のように述べています。「この CHIPS 資金の提案は、リーハイの新しい半導体ファブへのTIの投資をさらに後押しし、国防や経済の成功に向けてユタ州が担う重大な役割を強化します。私は、今回の発表を可能にした CHIPSおよび科学法 のオリジナル スポンサーの一人です。その理由は、世界のステージで競争するために、継続的にイノベーションを推進し、科学に関わる人材を育成し、地元での研究活動を拡張する必要性を感じたからでした。TIの業務拡張は、私たちの国家の安全と経済に欠かせないチップについて、米国がより自立性を高めるための手助けとなるでしょう」

 

サステナブルな製造の構築

TI は、責任あるサステナブルな製造および環境管理責任に対して、長きにわたって取り組んでいます。TI ではこの取り組みの一環として、エネルギー、材料と水の消費、温室効果ガス (GHG) 排出量を削減するための製造プロセスや設備に継続的に投資しています。

TI の 300mm ウエハ ファブの電力は、完全に再生可能エネルギーによって賄われる予定です。さらに、TI の新しい 300mm ファブはすべて、構造的な効率とサステナビリティにおける LEED Gold 標準を満たすよう設計されています。TI の 300mm 製造施設は、廃棄物を減らし、チップ1個あたりの水とエネルギーの消費量を改善するためのメリットをもたらします。

TI の半導体は現在、そして今後も、環境への影響の低減に重要な役割を担い、お客様がより小型で効率性とコスト パフォーマンスに優れたテクノロジー ソリューションを開発し、電動化の継続的なイノベーションや再生可能エネルギーの利用拡大を推進するために役立ちます。

詳細情報(英語):

 

将来の見通しに関する記述の注意事項

本リリースには、1995 年に米国にて成立した私的証券訴訟改革法により規定される法的責任から免責条件を満たすことを意図した、将来の見通しに関する記述が含まれています。一般的に、これら将来の見通しに関する記述は、TI とその経営陣による、「believes」(確信する)、「expects」(期待する)、「anticipates」(予測する)、「foresees」(予見する)、「forecasts」(予期する)、「estimates」(推定する)、またはその類義語句から識別されます。同様に、本リリース内で TI の事業戦略、見通し、目的、計画、意図、目標などに関する記述も、将来の見通しに関する記述です。将来の見通しに関する記述は、いずれも特定のリスクや不確定要素を含む可能性があり、実際の結果が予測と大きくかけ離れる可能性があります。

この要因に関する詳細な説明については、TI の最新の Form 10-K の Item 1A をご参照ください。本リリースに含まれる将来の見通しに関する記述は、本リリースを作成した時点のものであり、TI は、その後の出来事や状況を反映する目的で、将来の見通しに関する記述を更新する義務を負いません。TI が将来の見通しに関する記述のいずれかを更新した場合でも、当該記述または他の将来の見通しに関する記述について TI が追加の更新を行うことは想定されないものとします。