EMIとノイズを低減し、電力密度と信頼性を高めるのに役立つ新製品3種を発表

TIは、米国ヒューストンで開催されているAPEC (Applied Power Electronics Conference)にて、システムの EMI とノイズの低減を支援する新製品3種『LMQ66430』『LMQ66430-Q1』『TPS7A94』を発表しました。

  • 36V、3A の降圧コンバータ『LMQ66430』および『LMQ66430-Q1』: 2 個の入力バイパス・コンデンサと 1 個のブート・コンデンサを内蔵しているため、CISPR (国際無線障害特別委員会) 25 Class 5 EMI 規格に容易に適合するのと同時に、クラス最小の合計ソリューション・サイズ、業界をリードする 1.5μA の静止電流 (IQ) とともに、BOMコストの削減も実現します。デバイスの詳細は、技術記事「Using buck regulators with integrated capacitors to lower EMI and save board space」 (英語) をご覧ください。
  • TPS7A94』低ドロップアウト (LDO) リニア・レギュレータ: 業界最小ノイズ(0.46μVRMS )を達成しており、競合ソリューションより 42% 小さい値です。同時に、高い電源除去比 (PSRR) も達成しているため、医療機器、ワイヤレス・インフラ、レーダーのような非常に敏感なアプリケーションで、設計者がシステムの精度と正確性を向上させるのに役立ちます。詳細については、技術記事「LDOの基本:ノイズ – 第1部」をご覧ください。

 

アナログ電源製品担当のシニア・バイス・プレジデントのMark Gary は次のように述べています。「TI は、新しいプロセス、パッケージ、回路設計技術を開発する主導的な役割を果たし、電力密度の向上、バッテリ動作時間の延長、EMI の低減、電力の温存、シグナル・インテグリティの維持、システムの信頼性維持を実現できるように電源設計者を支援してきました。次世代のパワー・マネージメント・ソリューションへの TI の取り組みは、パワートレインやボディ・エレクトロニクスから、電気自動車の充電、太陽光発電、医療機器まで、新しいレベルの性能とエネルギー効率の改善や信頼性の向上を目指すエンジニアをサポートします」

TIは、APEC( 3月20~24日)にて、これら最新の電源製品、電力密度の向上、EMI (電磁干渉) やノイズ、静止電流 (IQ) の低減、信頼性の強化などに対応できるシステム・レベルのソリューションなどの展示に加え、TI のエキスパートがこれらのトピックに関連した 16 本のインダストリアルおよびテクニカル・セッションを実施します。デュアル・ランダム・スペクトラム拡散方式を活用した低 EMI の実現、800V パワー・コンバータで 650V GaN FET を使用した電力密度の向上、車載アプリケーション向け絶縁型ゲート・ドライバを使用した最も先進的な保護機能と診断機能の実現などのトピックを視聴できます。

 

革新的なソリューションでパワー・マネージメントをさらに強化

TI.com/APEC のオンライン版では、エンジニアが TI 製品を活用し、電源設計に関連する重要課題を克服する方法を、デモで紹介します。

  • 電力密度の向上:800V、11kW の 3 レベル、3 相、GaNベース ANPC (アクティブ中性点クランプ) インバータ電力段を活用。6.6kW ANPC インバータのリファレンス・デザインを土台とし、600V の『LMG3422R030』GaN FET をデモで紹介します。EV の充電や太陽光発電のアプリケーションで高いスイッチング周波数を活用し磁気素子のサイズの小型化、電力密度の向上、98.5% のピーク効率の実現が可能になります。
  • EMI の低減を車載と産業用のアプリケーションで実現しながら、フィルタ・サイズを改善。このデモでは、自社独自のデュアル・ランダム・スペクトラム拡散手法を採用した『LMQ66430-Q1』低 EMI 降圧コンバータによって EMI をリアルタイムに低減できること、内蔵コンデンサによって設計が大幅に簡素化されることを示します。
  • より安全なシステムの実現:信頼性の高い動作を達成する高電圧絶縁手法を活用。ASIL (Automotive Safety Integrity Level) D の安全性コンセプト検証済みの高速トラクション・インバータのリファレンス・デザインを土台とする同デモでは、TI の『UCC5870-Q1』絶縁型ゲート・ドライバと『UCC14240-Q1』絶縁型DC/DC バイアス電源モジュールを活用し、30A のピーク電流供給時に高いシステム効率を実現すると同時に、先進的な高電圧絶縁、保護、診断を通じてシステムの信頼性を維持しています。
  • バッテリ動作時間の延長:EV/HV のパワートレイン・システム。この 7kW オンボード・チャージャのデモでは、高精度アンプを意図した TI の『REF35』超低静止電流 (IQ) 電圧リファレンスや、車載 GaN FET である『LMG3522R030-Q1』、C2000™ リアルタイム・マイコンである『TMS320F280039C』を使用して、消費電力の最小化と、96% を上回るシステム効率の達成を支援しています。
  • 電力とシグナル・インテグリティの強化:電圧制御発振器 (VCO)、A/D コンバータ、D/A コンバータ、ハイエンド・プロセッサのような各種低電圧デバイスに最適。このデモでは、電源に対してさまざまな刺激 (変動など) を加え、それらが及ぼす影響を紹介します。この電源は、業界最小ノイズを達成している LDO である『TPS7A94』を採用し10Hz ~ 100kHz の範囲で 0.46μVRMSの低ノイズを達成します。

オンライン・デモと、それらに関連するホワイト・ペーパー、技術記事、オンデマンド・トレーニングは、TI.com/APEC (英語) からご覧いただけます。

※C2000 はTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。