消費電力を半減しながら エッジ側 AI の導入を推進する新しいプロセッサを発表
電力効率の優れたプロセッサの採用で、フォーム・ファクタ要件を達成しつつ、スマートな設計をさまざまな場所に導入可能

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、高集積プロセッサを提供してきたこれまでの歴史をさらに発展させ、エッジ側AI(人工知能)処理を次世代アプリケーションに拡張するのに役立つ複数の新しい Sitara™ AM62 プロセッサを発表しました。新しいプロセッサの低消費電力設計により、デュアル・スクリーン・ディスプレイや小型の HMI (ヒューマン・マシン・インターフェイス) アプリケーションのサポートが可能になります。詳細については、www.tij.co.jp/AM625-pr-jpをご覧ください。

TI は、ドイツのニュルンベルクで開催される embedded world 2022 (2022 年 6 月 21 ~ 23 日)に出展し、新しい AM62 プロセッサを展示するほか、エッジ側 AI や電気自動車 (EV) の充電用途の HMI アプリケーションに適したシステム・レベルのソリューションのデモを実施します。詳細については、ti.com/embeddedworld (英語) をご覧ください。

次世代の HMI は、人間と機械の対話型操作に関する新しい方法を実現するのに役立ちます。たとえば、ジェスチャー認識機能を実装し、騒音の大きい環境で人間が手ぶりでコマンドを機械に伝えたり、ワイヤレス接続を確立して、スマートフォンやタブレットから機械を制御したりできます。HMI アプリケーションにマシン・ビジョン、分析、予防保守などの各種エッジ側 AI を追加すると、人間と機械との間の単純なインターフェイスという従来の枠組みを超えて、HMI に新しい価値をもたらすことができます。AM62 プロセッサを採用すると、エッジ・デバイスに低消費電力で分析機能を搭載できます。サスペンド (一時停止) 状態での消費電力はわずか 7mW で、熱に関する設計要件を重視する必要がないため、サイズに制約のあるアプリケーションや産業用の環境にこれらの機能をフレキシブルに導入できます。

 

コスト効率の優れたエッジ側 AI により、新規アプリケーションでインテリジェンスを実現

AM62 プロセッサの単価は 5 ドル未満からです。そのため、基本的なカメラをベースとする画像処理機能と、物体の検出や認識などのエッジ側 AI 機能を組み合わせて、各種 HMI デバイスで低コストの分析機能を実現することができます。また、AM62 プロセッサを採用すると、デュアル・スクリーンのフル HDディスプレイを実現することや、メインライン Linux® や Android™ の各オペレーティング・システムを含め、複数のオペレーティング・システムをサポートすることもできます。また、AM62 プロセッサは有線とワイヤレス両方の接続インターフェイスをサポートしています。エッジ側 AI 機能を活用して HMI アプリケーションを進化させる方法に関する詳細は、技術記事『3 key considerations for the next generation of HMI』 (英語) をご覧ください。

 

システムの消費電力を最大 50% 削減

各種産業用アプリケーションで AM62 プロセッサを採用すると、競合デバイスに比べて消費電力を最大 50% 削減できるので、電源アーキテクチャの簡素化により、単三電池を使用するアプリケーションを 1,000 時間以上動作させることが可能になります。このデバイスは専用電源レールを 2 本のみ使用し、5 種類の電源モードを備えています。5mW 未満のディープ・スリープ・モードでバッテリ動作時間を延長できる一方、0.75V のコア電圧によって 1.5W 未満のアクティブ電力を実現します。システムの消費電力削減によりバッテリ動作時間が延び、エンジニアはハンドヘルド・デバイスまたは、サイズに制約のあるデバイスの設計要件を満たしやすくなります。新しい『TPS65219』を採用すると、最適な電力性能比の実現をさらに簡素化できます。この製品は、AM62 プロセッサの電源要件に適合するための専用設計を採用したコンパニオン PMIC です。

 

開発の複雑度を軽減する各種ハードウェア/ソフトウェア・ツールとリソース

AM62 プロセッサ向けの多様なツールとリソースは、開発のための柔軟なオプションを提供し、コスト削減や設計の複雑さの軽減に役立ちます。メインライン Linux を含め、複数のオープン・ソース・ソフトウェアを使用して、アプリケーション開発プロセスを簡素化し、市場投入までの期間を短縮できます。サード・パーティーの評価モジュール ( 25 ドル~)を含む豊富なハードウェア・エコシステムは、アプリケーション設計をより迅速に開始するのに役立ちます。

 

パッケージ、供給と価格について

『AM625』と『AM623』の各プロセッサは現在、13mm x 13mm の 425 ピン ALW パッケージで TI と正規販売特約店より供給中です。1,000 個受注時の単価は 5 ドル未満から設定されています。全量リールおよびカスタム数量リールは、TI ウェブサイトとその他の販売チャネルより供給中です。AM62 評価モジュール (EVM) は、149 ドルで TI ウェブサイトより供給中です。TI ウェブサイトでは、日本円でのご購入が可能です。また、お支払いオプション、各国・地域への出荷について各種オプションをご用意しています。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。