米国ユタ州リーハイで新しい300mm半導体ウエハファブの起工式を開催
TIは、米国ユタ州のアルパイン学区と協力し、同学区全体を対象としたユタ州初の K-12 STEM ラーニング コミュニティ創設の計画を発表

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、米国ユタ州リーハイで新しい 300mm 半導体ウエハファブの起工式を執り行いました。米国ユタ州のスペンサー コックス(Spencer Cox)知事と、州政府および地方政府選出の議員、さらにコミュニティのリーダーとともに、TI の社長兼CEOであるハビブ イラン(Haviv Ilan)は、新たなファブである LFAB2 の建設へ向けた最初の一歩を祝いました。この新しいファブは、リーハイにある既存の 300mm ウエハファブとの連携を予定しています。完成後、ユタ州にある TI の 2 棟のファブは、フル稼働時に、1 日あたり数千万個のアナログおよび組み込みプロセッシング チップを製造する予定です。

TIの社長兼CEOを務めるハビブ イラン(Haviv Ilan)は次のように述べています。「本日、TI はユタ州で、製造能力を拡大する工程の重要な一歩を踏み出しました。今後数十年にわたって TI のお客様のニーズに対応できる製造能力を確保するために、TI には 300mm の製造能力に関する長期的なロードマップがあり、この新たなファブはそのロードマップの一部です。TI には、半導体を通じてエレクトロニクスをより手頃な価格で提供することで、より良い世界を創造するという熱意があります。私たちは、ユタ州で成長を続けるメンバーの一員であることや、現在は事実上あらゆる種類のエレクトロニクス システムにとって不可欠になっているアナログ半導体と組み込みプロセッシング半導体の製造に携わることを誇りに思います」

2023 年 2 月に、TI はユタ州で 110 億ドルの投資を行うことを発表しました。これは、ユタ州史上最大規模の経済的投資となります。LFAB2 は、TI で約 800 人の雇用を生み出すとともに、間接的に数千の雇用を創出します。量産開始は、2026 年初めになる見込みです。

ユタ州のスペンサー コックス(Spencer Cox)知事は次のように述べています。「ユタ州におけるTIの製造分野の存在感の拡大は、ユタ州にとって非常に重要なテクノロジーを製造する数百人もの良好な報酬が得られる仕事を創出し、ユタ州に変革をもたらす機会に参加できることを意味します。私たちは、ユタ州でその住民が製造する半導体が革新を引き起こし、その革新が米国の地域経済や安全保障の土台となることを誇りに思います」

より強力なコミュニティの構築

教育に対する TI の取り組みの一環として、TI はアルパイン学区に 900 万ドルを投資し、ユタ州初の STEM(科学、テクノロジー、工学、数学)のラーニング コミュニティを創設します。これは、幼稚園生から高校 3 年生までのあらゆる生徒を対象にする教育プログラムです。複数年にわたるプログラムは、同学区の 85,000 人の生徒を対象にし、コース ワーク(教育課程)に STEM の概念を奥深くまで行き渡らせ、担当する教員や管理者に、STEM を土台とする職業能力開発の機会を提供します。学区全体を対象とするこのプログラムは、生徒たちが STEM 分野の重要なスキルを身に着けるのに役立ちます。たとえば、クリティカル シンキングや、互いに協力し創造性の高い問題解決を行う能力を身に着け、卒業後の成功を手助けすることができます。

アルパイン学区の監督者を務めるシェーン ファーンズワース(Shane Farnsworth) 博士は次のように述べています。「私たちは、この協力関係が生徒たちにとって不可欠な知識やスキルを能力開発し、人生を成功に導くとともに、テクノロジー分野で進路を広げられるように生徒が準備を進める機会になることをうれしく思っています。TI と私たちのさまざまな学校がリーハイ市と連携して進めるこの協力型の投資は、多くの生徒や、今後の多くの世代にわたる彼らの家族に影響を及ぼすことになるでしょう」

 

持続可能性の高い建設

TI は、持続的で責任のある製造を実施できるように、長期的な取り組みを実施してきました。LFAB2 は、TI にとって環境効率が非常に優れたウエハファブの 1 つになる予定です。このファブは、LEED(エネルギーおよび環境設計のリーダーシップ)の建造物レーティング システムの 1 つが規定する、最高水準の構造的な効率や持続可能性を保証するLEED Gold バージョン 4(v4)認証に適合するための設計を採用しています。

LFAB2 は、100% 再生可能な電力で操業するという目標を掲げています。また、リーハイの先進的な 300mm 機器やプロセスは、廃棄物の生成量や、水とエネルギーの消費量をさらに削減する見込みです。LFAB2 は実際に、リーハイにある TI の既存のファブと比べて 2 倍近くに達する水のリサイクルを達成することが期待されています。

 

次世代を担う半導体製造施設を構築

LFAB2 は TI の既存の 300mm ウエハファブを補完する見込みです。これらに該当するのは、LFAB1(ユタ州リーハイ)、DMOS6(テキサス州ダラス)、RFAB1 と RFAB2(いずれもテキサス州リチャードソン)です。TI は、テキサス州シャーマンに新しい 4 棟の 300mm ウエハファブ(SM1、SM2、SM3、SM4)も建設中であり、早ければ2025 年には最初のファブでの製造が開始される見込みです。

TI の製造能力拡張は、米国の CHIPS法(CHIPS and Science Act)による支援が見込まれています。この拡大は、アナログ製品と組み込みプロセッシング製品に関して、信頼できる供給体制の実現に役立ちます。製造とテクノロジーに対するこれらの投資は、長期的な製造能力計画に関する TI の取り組みを物語っています。

 

TI の米国ユタ州拠点の詳細:

 

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