低消費電力 GaN 製品のラインアップ拡充を発表、AC/DC 電源アダプタの ソリューションサイズの 50% 小型化を実現
• AC/DC ソリューションの開発で、サイズを従来比 50%まで小型化、95% を上回るシステムの効率化、熱設計の簡素化を実現
• AC/DC 電力変換で一般的なトポロジとの互換性を備えた新しいGaN製品

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、低消費電力窒化ガリウム(GaN)製品ラインアップの拡充を発表しました。これらの新製品は、コンシューマ向け機器や産業システムのAC/DC電源設計において、電力密度の向上、システム効率の最大化、並びにソリューションサイズの小型化を実現します。ゲート ドライバを内蔵している TI の GaN FET(電界効果トランジスタ)製品は、熱設計の一般的な課題に対処し、アダプタの発熱量を低減すると同時に、より小型のフットプリントでより多くの電力供給を可能にします。詳細に関しては、https://www.ti.com/product/ja-jp/LMG3622をご覧ください。

TI のバイス プレジデント兼 高電圧パワー事業部ゼネラル マネージャを務めるKannan Soundarapandianは次のように述べています。「現在の消費者が求めているのは、より小型でより軽量、より持ち運びやすく、しかも短時間かつエネルギー効率の優れた充電を可能にする電源アダプタです。TI の製品ラインアップ拡充により、GaNの持つ高い電力密度という利点を、携帯電話やスマートフォン、ノート PC のアダプタ、TV の電源、USB 電源コンセントなど、より多くのコンシューマ向け機器も提供できるようになります。加えて、TI のGaN製品ラインアップは、電動工具やサーバの補助電源などの産業用システムが求める、高効率かつ小型な設計という要求にも対応できます」

今回、ゲート ドライバ内蔵GaN FET の新しい製品ラインアップに、『LMG3622』『LMG3624』『LMG3626』の3製品が加わりました。これらの製品は、業界最高クラスの精度を有する電流センシング機能を内蔵しています。この機能により、外部のシャント抵抗不要で最大の効率を達成すると同時に、従来のディスクリートの GaN やシリコン FET と組み合わせて使用する電流センシング回路に比べ、シャント抵抗で発生する電力損失を最大 94% 削減できます。

エネルギー効率の最大化と熱設計の簡素化

TI のゲート ドライバ内蔵 GaN FET を採用することで、スイッチング速度を高速化でき、アダプタの過熱を防止しやすくなります。75W 未満の AC/DC アプリケーションで最大 94% のシステム効率、または 75W 超過の AC/DC アプリケーションで最大 95% のシステム効率を達成できます。この新しいデバイスを採用することで、シリコンベースのソリューションに比べて、標準的な 67W 電源アダプタのソリューションサイズを最大 50% 小型化できます。

この製品ラインアップは、疑似共振フライバック、非対称型ハーフ ブリッジ フライバック、LLCコンバータ、トーテムポールPFC、アクティブ クランプ フライバックなどの、AC/DC 電力変換の一般的なトポロジ向けに最適化されています。

一般的な AC/DC トポロジに対する TI の GaN の利点については、技術記事『バッテリ テスト システムから見た GaN の利点』をご覧ください。

GaN 製造への長期的な投資

TI は世界15箇所の拠点にまたがり、ウエハ ファブ、組み立ておよびテスト ファクトリなど、前工程と後工程の両方において、自社が所有する製造拠点を運用してきた長い歴史があります。さらに、GaN 製品の製造には、10 年以上にわたって投資を続けてきました。

2030 年までに自社製品の 90% 以上を内製化するという計画に基づき、TI は今後数十年にわたってお客様への製品供給の確実性を向上させていきます。

パッケージ、供給と価格について

『LMG3622』と『LMG3626』 は量産対応の数量で、また『LMG3624』は量産開始前の限定数量で TI.com/GaN からご購入可能です。
 

  • 1,000 個ご注文時の単価(参考価格)は 3.18 米ドルから
  • 8mm x 5.3mm の 38 ピンQFNパッケージ(Quad Flat Non-leaded Package)で提供
  • 『LMG3624EVM-081』などの評価基板は250 米ドルから提供中
  • 複数の支払いオプションと配送オプションが利用可能
  • 電流センシング機能を内蔵していない、ピン互換のデバイスである『LMG3612』と『LMG3616』も入手可能

 

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