車載用チップの新製品を発表、自動車メーカーのよりスマートで安全性を強化した車両開発を支援

ニュースのハイライト

  • 衛星アーキテクチャ向けに設計された、業界初のシングルチップ レーダー センサが、自動車のセンシング距離を 200m 以上まで延長すると同時に、先進運転支援システム(ADAS)におけるより高精度な意思決定を支援
  • 新しいドライバ チップ製品は、機能安全に準拠した内蔵診断機能を通じて、バッテリ管理や他のパワートレイン システムにおける安全かつ効率的な電力フローの制御をサポートし、開発期間の短縮に貢献

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、自動車の安全性とインテリジェンスの向上を目的として設計された、新しい半導体製品群を発表しました。77GHz ミリ波レーダー センサ チップ『AWR2544』は、衛星レーダー アーキテクチャ向けに設計された業界で初めての製品です。これにより、ADAS におけるセンサ フュージョンと意思決定機能が向上し、より高い水準の自律性を実現します。TI の新しいソフトウェア プログラマブルなドライバ チップである 『DRV3946-Q1』は接触器ドライバを内蔵し、 『DRV3901-Q1』はパイロ ヒューズ向けのスクイブ ドライバを内蔵しています。これらの製品は、バッテリ管理とパワートレインの各システムに適した診断機能を内蔵し、機能安全に対応しています。TI は、これらの新製品を 2024 年のコンシューマー エレクトロニクス ショー(CES)で展示をしています。詳細については、TI.com/AWR2544TI.com/DRV3946-Q1TI.com/DRV3901-Q1 をご覧ください。

TIの車載システム事業部 ディレクターを務めるFern Yoonは次のように述べています。「TI が今年の CES で展示するような半導体のイノベーションにより、自動車システムは進化を続け、運転環境のいっそうの安全性向上に貢献しています。さらに高度な ADAS から、よりスマートな電気自動車(EV)向けパワートレイン システムに至るまで、TIは自動車メーカーと協力して、信頼性が高くインテリジェントなテクノロジを活用し、より安全性の高い自動車の実現について再考しています」

 

よりスマートな ADAS の意思決定に役立つ、レーダー性能の向上

多くの自動車メーカーは、車両の安全性と自律性を向上させるために、従来よりも多くのセンサを車両の周囲に追加しています。TI のシングルチップ レーダー センサである 『AWR2544』 は、業界で初めてサテライト アーキテクチャ向けの設計を採用しました。サテライト アーキテクチャの場合、複数のレーダー センサは事前処理済みのデータを ADAS の意思決定を行う集中型プロセッサに送信します。このプロセッサはセンサ フュージョン アルゴリズムを使用し、360 度に及ぶセンサの検出範囲を活用して、自動車の安全性をより高い水準へと引き上げます。

シングルチップ レーダー センサである 『AWR2544』は、同じく業界初である立体配置パッケージ(LOP:launch-on-package)を採用しました。LOP テクノロジを使用し、3D 導波管アンテナをプリント基板の裏面に配置することで、センサのサイズを最大 30% 小型化することができます。また、LOP テクノロジを採用した結果、シングルチップでセンサの検出範囲が 200m を上回るようになりました。サテライト アーキテクチャでこれらの機能を活用することで、自動車メーカーは ADAS のインテリジェンスを向上させ、自動車の自律性レベルをより高い水準へと引き上げ、離れた場所からより賢明な意思決定を行うことができます。『AWR2544』は、TI のレーダー センサ製品ラインアップの中でも最新の製品であり、コーナー、フロント、画像処理、サイド、リアの各レーダー システム向けに開発されたセンサを活用する、より広範な ADAS アプリケーションとアーキテクチャに対応することができます。

『AWR2544』とサテライト アーキテクチャの詳細については、技術記事『Are you ready for the emerging automotive radar satellite architecture? 』(英語)をご覧ください。

 

機能統合と安全性向上を通じて電動パワートレインシステムのスマート化を推進

ソフトウェア定義型自動車を目指すトレンドに対応することは、よりスマートかつ高度なバッテリ管理システム(BMS)の開発を目指す設計者にとって容易なことではありません。TI が発表した、高集積でソフトウェア プログラマブルな 2 種類のドライバ チップを採用すると、BMS や他のパワートレイン システムで、高電圧接続解除回路のより安全かつより効率的な制御という要件に対応することができます。両ドライバは国際標準化機構(ISO)26262 の機能安全に準拠し、自動車エンジニアの開発期間短縮に貢献する内蔵の診断機能と保護機能を搭載しています。

BMS や他のパワートレイン システムに適した 『DRV3946-Q1』は、業界初のフル統合型接触器ドライバです。この製品は、ピーク時とホールド時の電流コントローラを搭載しており、自動車メーカーによるシステムの電力効率向上に役立ちます。このデバイスはまた、接触器の状態を監視するために安全性診断機能も実装しています。

TI のフル統合型スクイブ ドライバである 『DRV3901-Q1』を採用することにより、パイロ ヒューズを監視するための内蔵回路を使用して、パイロ ヒューズのインテリジェントな接続解除システムを実現し、診断情報をシステム マイコンに提示することができます。この結果、ハイブリッド車(HEV)とEVの BMS 設計者は、従来の溶断式ヒューズ システムの代わりにパイロ ヒューズを使用するフレキシビリティを確保すると同時に、設計の複雑さを最小化することができます。

BMS とパワー ディストリビューションの設計シンプル化の詳細については、技術記事『How squib and contactor drivers help improve safety and efficiency in HEV/EV battery disconnect systems 』(英語)をご覧ください。

 

より安全でスマート、かつ持続可能性の高い未来を実現

TI は2024年1月9日から12日まで米国ラスベガスで開催されるCES 2024にて、『AWR2544』、『DRV3901-Q1』、『DRV3946-Q1』を含め、よりスマートで安全な車両を実現する新製品および技術革新を展示します。デモでは、ADAS と BMS の設計に適したシステム レベルの革新のほか、ゾーン アーキテクチャ、EV 充電、エネルギー ストレージなどに対応する TI のテクノロジも紹介します。ご来場予定の方は、TI のブース Las Vegas Convention Center North Hall, Meeting Room No. N116 にお立ち寄りください。詳細については、TI.com/CES をご覧ください。

 

  • パネルディスカッション:「EV 市場の成長:革新と投資(Growth of the EV Marketplace: Innovations and Investments)」
    日時:2024 年 1 月 11 日午前 11 時(日本時間  1 月 12 日午前 5 時)
    参加:Henrik Mannesson(TI  グリッド インフラ事業部 ゼネラル マネージャ)
    内容:半導体の革新とエンジニアリングの画期的な進歩が、双方向充電や自動車からグリッド(V2G)システムを通じて、EV からグリッド(電力網)へのエネルギー供給を管理する能力を推進する方法

 

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